今回は React Hooks の基本的な Hook であるuseEffect
について説明していきます!
useEffect とは
useEffect
は、関数コンポーネント内で副作用(side-effect)を実行するための Hook です。副作用とは、関数コンポーネントの出力(レンダリング)に関係ない処理のことです。つまり、useEffect
を用いることでレンダリングと副作用を切り離すことが可能になります。
例えば、useEffect を使わない以下のようなコンポーネントがあるとします。
import React, { useState } from "react";
const UseEffectExample: React.FC = () => {
const [count, setCount] = useState(0);
if (process.browser) {
console.log("called");
}
return <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Click me</button>;
};
export default UseEffectExample;
この場合だと、副作用とレンダリングが分離されていないため、コンポーネントがレンダリングされる(クリックされる)度に log が出力されます。
ここでuseEffect
を用いることで以下のように変更できます。
import React, { useEffect, useState } from "react";
const UseEffectExample: React.FC = () => {
const [count, setCount] = useState(0);
useEffect(() => {
console.log("called");
}, []);
return <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Click me</button>;
};
export default UseEffectExample;
レンダリングと副作用を分離することができ、log はコンポーネントが初期にマウントされた時しか出力されません。(なぜこうなるかは後ほど説明します!)
useEffect の定義
useEffect は以下のような引数を持ちます。
useEffect(callback[, dependencies]);
第一引数には副作用の処理を記述するためのコールバック関数を持ち、これはレンダーの結果が画面に反映された後に動作します。
第二引数には依存先の変数が格納される配列が渡されます。これによって副作用の処理をどのタイミングで実行するか決めることができます。
これらについて詳細を説明していきます 🙌
useEffect の実行されるタイミングを理解する
先ほど軽く説明したuseEffect
の第二引数である[dependencies]
を利用することで副作用の処理を実行するタイミングを制御することができます。
- まず、第二引数を指定しない場合は、副作用は全レンダリング後に実行されます。
// レンダリングされるたびにログが出力される
useEffect(() => {
console.log("called");
});
- 第二引数を指定した場合、配列に格納された値が変更された場合のみ実行されます。
// レンダリング間でcountの値が変更された時のみログが出力される
useEffect(() => {
console.log("called");
}, [count]);
- 第二引数に空配列が渡された場合、副作用は最初のレンダリングが行われた後だけ 1 回実行されます。最初に説明した例はこちらの記述をしていたため、コンポーネントがマウントされた初回のみログを出力していたのですね。
// 最初にレンダリングされる時のみログが出力される
useEffect(() => {
console.log("called");
}, []);
副作用のクリーンアップ
副作用の中には、タイマー ID や subscription など、コンポーネントがアンマウントされる時にクリーンアップする必要があります。そのような時にuseEffect
内で関数を返すことでそれをクリーンアップの処理とみなすことができます。
以下に例を示します。
import React, { useEffect, useState } from "react";
const UseEffectExample2: React.FC = () => {
const [count, setCount] = useState(0);
useEffect(() => {
const id = setInterval(() => {
console.log(count);
}, 2000);
return () => {
clearInterval(id);
};
}, [count]);
return <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Click me</button>;
};
export default UseEffectExample2;
useEffect
内でsetInterval
を使用しており、毎秒ログを出力していることがわかります。
また、useEffect 内で関数を返し、その中でクリーンアップ処理を書くことができるので、clearInterval
でクリーンアップ処理をしています。
まとめ
useEffect
は、関数コンポーネントの出力(レンダリング)に関係ない処理である副作用をレンダリングと切り離して扱うことができるuseEffect
の第二引数に依存する値の配列を渡すことで、副作用の処理が実行されるタイミングを制御できるuseEffect
内で関数を返すことでクリーンアップ処理を行うことができる
さらに useEffect について深く理解したい方は、次にuseEffect の間違いやすいポイントを読むことをオススメします!